「酒は純米、燗ならなお良し」極上の純米酒を醸す全量純米蔵の先駆者「神亀」


日本酒ファンの方で「神亀」を御存じの方は多いのではないでしょうか。
東京のベッドタウンとして発展した埼玉県蓮田市に蔵を構える神亀酒造は、嘉永元年（1848年）の創業で160余年の歴史を誇ります。
周辺の宅地開発（ちなみに店主が以前勤務していた会社が蓮田市の委託を受けて開発プランの立案担当をしており、小川原専務に「おまえか～！（笑）」と冗談交じりに言われた思い出が…。）により面影は薄れましたが、鬱蒼とした森に囲まれて入口がどこなのか迷うほど自然豊かな環境にある酒蔵です。

「神亀」の酒名はかつて蔵の裏手にあった天神池に棲むという「神の使いの亀」に因んでつけられたもの。「ひこ孫」は曾孫のことで、３年以上熟成させた酒に冠せられる銘柄となっています。
今でこそ純米酒「神亀」の名は日本酒業界で広く知られていますが、その道のりは決して平坦なものではなく、質より量が重視され純米酒という言葉すらなかった高度経済成長時代真っ只中の昭和42年（1967年）に早くも純米酒造りに着手。苦難の連続を乗り越え、昭和62年（1987年）には全国で初めて製造する酒全ての純米化を達成しました。
こうして純米酒の普及に情熱を注いできた７代目蔵元・小川原良征さんの八面六臂の活躍は、酒米生産農家や同業の蔵元にも大きな影響を及ぼし、「酒は米から」という信念のもと、高品質の酒米生産に取り組む農家や神亀酒造に続いて全量純米化に舵を切る酒蔵が徐々に増えてきています。
長期熟成に耐え得るしっかりとした骨格のフルボディタイプの純米酒は、お燗にすることでより一層花開きます。熟成を経た米の豊かで深い旨味がしみじみと感じられ、思わず笑顔になってしまう魅力にあふれているのが「神亀・ひこ孫」という酒なのです。
日本酒に飲み慣れてきたらぜひ、この酒でさらに熟成酒の奥深さや温度で味わいが変わる燗酒の妙を楽しむ境地へと、もう一段進んでみていただければと思います。
純米酒を世に広めた大きな功績を気負うことなく、ただひたすら良い米で良い酒を醸す神亀酒造。飲んでみると蔵元の思いが真っすぐ飲み手に届き、嘘偽りの無い本物の純米酒であることがすぐにおわかりいただけるのではないでしょうか。
その思いをみなさまに知っていただきたいと思い、一部抜粋してご紹介させていただきます。

「純米酒は米だけの酒。それゆえに純米造りでは、原料である米の品質が良いものでなければなりません。
純米造りならではの丁寧な手仕事を重ねていけば、きっと良い酒が出来るはず。基本通りに手抜きをせずに造り続ければ、飲み手にもそれが伝わるという確信を持ち続けてきました。
しかも、それぞれの蔵の気候や水や米の違いによって、それぞれに異なる個性の酒が出来ます。それが本当の意味での日本酒の豊かさでしょうし、多彩な個性を提供することが、飲み手に対する本当のサービスだと思います。
また、良い純米酒は時間による熟成が加わることで、さらに豊穣な味わいへと開花していきます。これからも米の良さが伝わるような、じっくりと熟成させた豊かな味わいをお届したいと思います。」
～全量純米酒を目指す会　蔵元紹介文より一部抜粋～

＊「酒は純米　燗ならなお良し」とは、日本酒界の生き字引として知られた名鑑定官・故上原浩先生のお言葉です。

＊神亀酒造製品の製造年月日につきましては、商品によっては日付が数年前という場合もあり、驚かれることがございます。これは瓶詰めした日付であり、その後数ヶ月または数年にわたって瓶熟成をし、味わいを深めた上で出荷していることによるものです。
当店でも万全の品質管理を行っており、品質には何の問題もございません。時が育てる酒の奥深い味わいをぜひごゆっくりお楽しみください。