北海道の酒造好適米「彗星」の60％精米の生原酒という共通項の中、蔵のある滋賀県で開発された新酵母３種類をそれぞれ用いた「三連星」の今年の番外編シリーズ第２弾は、滋賀県工業技術総合センターが開発した新たな試作酵母「KKK-SC9PLUS」にチャレンジです。

約30年前に滋賀県内の蔵元から採取した酵母を元に誕生した県産酵母「KKK」シリーズと15年ほど前に誕生した同じく滋賀県産の「IRCS」シリーズをベースに、研究開発を重ねて生まれたのがこの「KKK-SC9PLUS」酵母です。

カプロン酸が多く生成されるフローラルな香り系でやや甘みを感じる今風の酵母ですが、今回の仕込みではあまり香りが立たず、穏やかな酒質に仕上がりました。
香りは仄かに上品に漂い、ややビターな感じとともに米由来の自然な甘みが広がります。後味のキレの良さもあり、バランスの取れた食中酒となりました。