新たな美酒誕生への胎動を感じて。
粛として醸す。手づくりの精魂込めた酒造り　「岡部」「松盛」



茨城県北部、水戸黄門・徳川光圀公が晩年に隠居所「西山荘」を構えた歴史の街、常陸太田市にある岡部合名会社は、明治8年（1875年）の創業で140年以上の歴史を持つ酒蔵です。
奥久慈山系に源を発する里川流域の水田地帯に囲まれ、豊かな水と米をもとに、岡部家が酒造りを始めました。

代表銘柄の「松盛」は、蔵の正門にあった松の大樹にちなみ、家業が末代まで栄えるようにとの願いを込めて命名されたもの。
そして蔵の新たなチャレンジとして立ち上げたのが、地酒専門店限定流通銘柄の「岡部」です。

現蔵元の岡部守博社長は、大手メーカーにはない常陸太田の風土が息づく地酒を目指して酒質向上に努め、平成10年から9回に及ぶ全国新酒鑑評会金賞受賞を果たしています。
そして、平成25年（2014年）には6代目となる岡部彰博さんが蔵に戻り、新たな変革の風が蔵に吹き始めました。
蔵元の世代交代は大きな変革への胎動のときでもあります。若き専務は、地元農家の協力を得て茨城県産の米にこだわった真の地酒を目指し、米どころ茨城の酒を盛り上げるべく活動を始めています。

茨城地酒新時代の一翼を担う期待の星として、「岡部」「松盛」の更なるブラッシュアップに大きな期待がかかります。
これからどのような変貌を遂げるのか、愛飲家たちはいま、固唾を呑んで見守っているところです。